VPSのメモリ(RAM)
VPSの性能を判断する上で大きなポイントになるのがメモリ(RAM)の容量。VPSのメモリについて解説します。
公開日: 2023.2.21
VPSメモリ(RAM)とは?
VPSメモリは、VPSで現在使用されているデータを格納するメモリと同様です。ただし、違いはVPSメモリが仮想化されており、サーバーの物理メモリから作成されるという点が物理サーバーと異なります。
各VPSには一定量のメモリが割り当てられ、このメモリは、同じ物理サーバー上の他のVPSから分離されます。
メモリ使用量に影響を与えるものは何?
VPSに必要なメモリの量は、VPSにホストされているウェブサイトの数、ウェブサイトの複雑さ、ウェブサイトが受け取るトラフィック量など、いくつかの要因によって異なります。
そのため、サーバー上で「どのプロセスがメモリを消費しているのか」をしっかりと把握する必要があります。
メモリ容量が不十分だとどんな悪影響がある?
通常のOSは、CPUはデータ処理をするための一時的なデータをメモリに保存しながら処理をします。そのため、メモリはストレージよりも高速なパーツで構成されています。
このメモリが不足してしまうと、CPUはSWAPが設定されていれば低速な保存領域であるストレージに一時データを保存します。当然ですが、読み書きが遅くなるためサーバーのパフォーマンスも低下します。
その場合、
- ウェブサイトの読み込み速度が低下する(遅延)
- サイトが無反応になる(スタック)
- サーバーが停止する(サーバーダウン)
という段階を追ってサーバーは動作しなくなります。
(3)のサーバー自体がクラッシュするということはあまりありませんが、遅延やスタックはVPSサーバーの設定を適切に行わないと、比較的よく起こる現象です。
VPSに必要なメモリ容量は?
推奨されるVPSのメモリ容量
実際にVPSに必要なメモリ量は、VPSの使用方法によって異なりますが、一般的には「アクセスピーク時でもSWAPをしない範囲」が適切なメモリ容量と言われます。
トラフィックが少ない小規模なウェブサイトの場合は、1GBのメモリで十分な場合もありまし、逆にトラフィックが多いウェブサイトや複雑なウェブアプリケーションの場合は、4GB以上のメモリが必要な場合もあります。
この辺りはケース・バイ・ケースになりますが、「アクセスピーク時のメモリ使用量 X 1.5〜2倍」程度にしておくと、突発的なアクセス増にも対処しやすくなります。
選ぶべきメモリの目安
あくまで目安ですが、Webサイトを運営する上で選ぶべきメモリ容量の目安を比較してみます。
サイトはデータベースを含む動的なサイトで、画像などのコンテンツも全てVPSからホストする前提とします。アクセスは、ユーザーだけでなく、GoogleクローラーなどのBotも含めた数値です。
メモリの目安 | アクセス/日 | アクセス数/月 |
---|---|---|
1GB | 〜1,000PV | 〜30,000PV |
2GB | 〜3,000PV | 〜100,000PV |
4GB | 〜10,000PV | 〜300,000PV |
8GB | 〜17,000PV | 〜500,000PV |
12GB | 〜30,000PV | 〜1,000,000PV |
サーバーに必要なメモリは、サイトの構成やデータの持ち方によって異なります。1GBメモリのVPSで月間100万PVを捌ける場合もあれば、8GBメモリがあっても捌けない場合もあります。
ですので、参考程度に見てください。
適切なVPSのメモリを選択する際のポイント
無駄なメモリを使わない工夫をしよう
まずはメモリを適切に使うことが大事です。「メモリが足りない = アップグレードしよう」としていると、プログラムやサーバーにある問題点(負の遺産)を残したまま、お金で解決していると、どこなの段階で詰まってしまいます。
プログラムの見直し、サーバー設定の見直し、CDNなどの外部サーバーの利用など、多角的にメモリを使わない方法を探ってみましょう。
ウェブサイトのトラフィック量からメモリ量を増強しよう
メモリの無駄使いを減らした状況でもまだメモリが不足する場合、ほとんどはホストされているウェブサイトのトラフィック量が増えているはずです。
現在のVPSプランを契約した際のアクセス数から明らかに増加しているのであれば、迷わずプランのアップグレードをしましょう。