VPSの選び方
VPS選びはWebサイトやビジネスにも大きく影響をします。失敗しないためにも、VPSを選ぶための適切な方法を理解しましょう。
公開日: 2023.2.21
VPSに割り当てる予算を決める
まずはVPSサーバーにどれくらい費用を出せるかを決めましょう。ただ、「予算を決めようにもプランが決まらないと予算が出せない」という声は当然あるでしょう。
しかし、「ビジネスを動かす要素の一つ」であるサーバーコストからビジネススキームを作るのは違いますし、予算を決めずにVPSを契約してしまうと、サーバーコストは固定費になるので「ずっと支出が出っぱなし」という悪循環になってしまいます。
ビジネスで使う場合は、サーバー費用がビジネススキームの中でどの程度まで支出として認められるかを考えます。なるべく低くするのが良いですが、低すぎるとサーバーを安定動作出来なくなるリスクもあります。
この辺りのバランスは、プロジェクトチームや経営陣としっかりと話し合って多過ぎず少な過ぎない予算を確保するのがベストです。
どうしても先に数字が必要という場合は、あくまで参考までですが、
- ECサイト: 総売上の5%まで
- Webサービス: 総売上の20%まで
- 自社システム: 総売上の2%まで
がというのが一つの目安ではないでしょうか。
個人の場合は、まずは「1〜2年間払い続けても痛くない」というのを基準にすると良いでしょう。
サーバーに必要なスペックを決める
次に、VPSサーバー上で実行する内容から必要なスペックを算出します。ここが一番難しいところでもあります。
VPSサーバーのプランは基本的に「CPU、メモリ、ストレージ」の3つのスペックでプランが構成されます。当然ですが、多いほど料金も高くなります。
そのため、どれくらいのスペックが必要なのかを把握することは、そのままVPSの予算の範囲に入るかに直結します。
ある程度経験がある方なら「この規模なら、これくらいのスペックは必要」と肌感覚でわかりますが、わからない方も多いでしょう。
その場合は、知り合いのエンジニアに相談する、もしくは取引先の開発会社に相談するというのも良いでしょう。
仮に相談ができない場合は、まずは無料お試しのVPSで実際に組んでみて、どれくらいのスペックが必要かを算出しましょう。
将来的なアップグレードを推測する
VPSサーバーは「一度契約したらおしまい」ではなく、ビジネスやサイトの成長に合わせて適切にアップグレードさせる必要があります。
そのため、将来的にどれくらいの規模まで成長させたいのかもしっかりと考えましょう。
というのも、VPSプロバイダーによってVPSサーバーのスペック上限が異なるため、成長していくにつれて「選びたいプランがない」という状況も生まれるからです。
スタート時点で選ぶプランのスペックの4倍くらいのスペックまであるVPSプロバイダーを選ぶのがポイントです。
必要なスペックのプロバイダーごとの料金プランを比較する
ここまで出来たらあとは実際にプロバイダーやプランを比較します。
まずは、先ほど出した必要スペックでプロバイダーごとの料金プランをピックアップしましょう。意外と料金プランだけでも違いがあるはずです。最低でも3つ以上のプロバイダー・プランを候補にしましょう。
また、先ほど解説した通り、「将来的なアップグレードに対応できるか」という点も考慮しておきます。
機能や使い勝手なども含めてプロバイダー&プランを絞り込む
次に、機能や使い勝手の面を比較します。比較したいのは下記の点です。
ポイント | ベスト | ベター |
---|---|---|
プラン変更への対応 | 既存のサーバーを変更可能 | サーバーを複製して変更可能 |
バックアップ機能 | 自動化やスケジューリングが出来る | 手動でバックアップが出来る |
OS・アプリケーションイメージの有無 | 将来的に使いたいイメージもある | 使いたいイメージがある |
ネットワークの増強 | プランアップグレード”なし”で出来る | プランアップグレードで出来る |
サポート | 365日24時間電話サポート | 365日サポート |
必要になる機能はそれぞれ異なりますが、「プラン変更への対応」と「バックアップ機能」についてはVPS選びでは重要ポイントなので、必ず比較しましょう。
ここまで絞り込むと、使いたいVPSサーバーが一つか二つまで絞り込めるでしょう。
テストをする
実際に絞り込みが出来たらVPSサーバーでテストをします。最近のVPSサーバーは初期費用なし、時間課金というところが増えているので、そこまでコストをかけずにテストが出来るでしょう。
もし、使いたいVPSサーバーが月額課金の場合は、時間課金や無料お試しを実施してる同等スペックの別のVPSプロバイダーでテストをしましょう。
テストは、実際にサーバー上でサイトなどを構築するだけでなく、必ず負荷テストをおこないます。Apache Benchなどの無料のベンチマークソフトで様々な条件でテストをして、「そのスペックで想定するアクセスに耐えられるのか?」を確認しましょう。
ab - Apache HTTP server benchmarking tool
契約するVPSを決定する
テストまで出来たら実際に契約するVPSを決定します。
契約する前には、
- お得になるキャンペーンがないか
- 長期割引などのお得な契約がないか
- 使えるクーポンがないか
なども確認しておきましょう。