VPSのストレージ
実は重要な要素であるVPSのストレージについて、基礎知識や適切なVPSストレージの選び方を解説します。
公開日: 2023.3.2
VPSストレージとは何か?
VPSのストレージとは、VPS上で「データの保存をする」ための機器のことを指します。一般向けのPCであれば「HDD、SSD」と呼ばれることもありますが、VPSサーバーでは一括してストレージと呼ぶことのが通常です。
VPSも含めたコンピュータでは、データを格納するためのストレージが必要になるため、VPSサーバーにも必ずストレージが用意されます。
ただし、一言にストレージと言っても、プランやプロバイダーによって、
- ストレージの種類
- ストレージの容量
が異なり、それぞれの違いが実際にVPSサーバーを運用する際の使い勝手や性能面にも影響してきます。
VPSのストレージの種類
VPSで採用されるストレージには、HDD(Hard Disk Drive)とSSD(Solid State Drive)の2つの種類があります。
HDDは、磁気ディスクにデータを記録することで動作するストレージです。価格が安いことから料金プランが安価に出来ますが、データの読み込み速度が遅く、負荷の高いアプリケーションを利用する場合にはパフォーマンスが低下することがあります。
ここ数年でVPSでも標準搭載されるようになったSSDは、フラッシュメモリを利用するためHDDと比較して高速で、負荷の高いアプリケーションを利用する場合でもパフォーマンスが低下することがありません。しかし、SSD自体の価格が高いため、HDDストレージのプランと比較すると料金が高くなることがあります。
VPSのストレージ容量
VPSではプランごとにストレージ容量が決まっているのが通常です。
ただ、最近のVPSプランは最低でも10GB程度、多いサービスでは最低でも30GB程度のストレージを標準搭載しているので、Webサーバーなどの用途であれば足りなくなることはありません。
万が一ストレージが足りなくなっても、プラン変更をしてストレージを増強するか、プロバイダーによってはオプション契約でストレージを追加(アタッチ)することも可能です。
その意味では、契約段階ではそこまで容量にこだわる必要はないでしょう。
VPSにおけるストレージの選び方
ストレージタイプの選択
VPSを選ぶ際に絶対にチェックしたいのが「ストレージタイプ」です。契約したVPSのストレージがHDDかSSDのどちらでサーバーのレスポンスにも大きく影響します。特にメモリが少ないプランでは、ストレージをSWAPに使うため、サーバー全体のレスポンスへの影響が大きくなります。
現状ではSSDプランでもHDDプランでも大きく価格差はないため、「VPSのストレージはSSD一択」と言っても過言ではないでしょう。
ただし、大容量のデータを扱う場合には敢えてHDDプランのVPSを選ぶという選択もあり得ます。
ストレージサイズの選択
先程解説した通り、現在のVPS各社のプランは、最低プランでも十分なストレージ容量を用意しているので、ストレージ容量のちょっとの差に神経質になる必要はありません。
一つ気をつけたいのが「VPSサーバーのバックアップ」の仕方です。VPSプロバイダーには、バックアップデータをVPSストレージ容量に含める場合があり、複数世代のバックアップを取ると稼働するサーバーのストレージ容量を食って行ってしまうことがあります。
ストレージ容量が少ないとVPSサーバー自体の低速化にも繋がるため、契約前に「VPSのバックアップ容量がどのように計算・課金されるのか」を確認しておきましょう。
ストレージの信頼性の選択
VPSのストレージの信頼性は、VPSサーバーを安定して運用する上で重要ですが、PCと違って「どこのどんな製品を使っているのか」は契約してみないとわかりませんし、ストレージを指定することも出来ません。
しかし、VPSのストレージもPCと同様に故障することがあるため、VPSプロバイダー側が「万が一、ストレージが故障した際にどのような対処を取るのか」が重要です。