VPSの帯域幅
VPSで「高速で安定したレスポンス」を実現する上で実は重要な要素である、帯域幅について徹底解説します。
公開日: 2023.3.2
VPSの帯域幅とは?
VPSの帯域幅とは、VPSサーバーに割り当てられた通信速度のことを指します。VPSにアクセスするための通信速度(ダウンロード、アップロード両方)がどの程度の速さであるかを示しています。
VPSサービスでは、基本スペックに「ネットワーク」という項目で記載されていることが多くなります。
例えば、ConoHa VPSのネットワークスペックは、下記のように記載されています。
- インターネット 100Mbps共有
- プライベートネットワーク 1Gbps共有
このスペックからは、
- 外部から/外部へのデータ転送は「ユーザー共有で」「100Mbpsが」上限
- 内部サーバー同士のデータ転送は「ユーザー共有で」「1Gbpsが」上限
ということがわかります。
VPSのネットワークの帯域幅は基本的に上りと下り(ダウンロードとアップロード)の合計データ転送速度のことを指します。また、特別記載がない限りは共有ネットワークになるでしょう。
帯域幅が重要な理由
帯域幅は、VPSを利用する上で非常に重要な要素の一つです。なぜなら、帯域幅が低い場合、VPSへのアクセス速度が遅くなり、サイトの表示速度が遅くなるため、ユーザーのストレスに繋がるからです。
そのため、高速で安定したサイト運営をするためには、帯域幅の選択が非常に重要となります。
VPSの帯域幅スペックの見方
ネットワークの帯域幅については、「bps(ビット/秒)」が単位になります。数字については、大きいほど高速通信が可能になります。
次に、そのネットワークが共有なのか専用なのかで、内部への通信か外部への通信なのかでスペック全体を把握します。
これらがわかると、自分の契約したVPSサーバーがどれくらいの速度を出せるのかを想定出来ます。
1Gbpsクラス
VPSのネットワークが「1Gbps」であれば、VPSのネットワークとしては最高スペックで、VPSサービスでは上位グレードのサービスに割り当てられる帯域幅です。このクラスになるとプロバイダによっては「ギガビット回線」としてアピールすることもあります。
これだけの帯域が確保されていれば、よほどの大規模アクセスが集中しない限り、ネットワーク要因でサーバーのレスポンスが遅延することはほぼありません。
また、VPSサーバー(インスタンス)同士を内部でリンク出来るVPSプロバイダの場合、内部ネットワークのみ1Gbpsというのはよくあるスペックです。
100Mbpsクラス
エントリーからミドルグレードのVPSサービスに多い帯域幅が100Mbpsクラス。基本的にどのような用途にも利用することができますし、多数のアクセスが集中する時間帯でも高速レスポンスが可能です。
100MbpsクラスのVPSであれば、中規模くらいまでのWebサイトであれば十分すぎるほどのスペックですが、大容量ファイルの転送を常時行うサービスの場合は、通信速度がボトルネックになり得ます。
その場合は、大容量ファイルの転送をCDNなどに逃して、VPSの帯域幅を使わないように工夫するのが通常です。
10Mbpsクラス
VPSのネットワークとしてはあまり見ないですが、ネットワーク帯域幅が10Mbpsであれば、VPSとしては低速帯域幅と言えます。
この速度では、大多数に向けて公開するWebサーバーとして公開するのは困難ですし、個人利用のサーバーくらいでしか要件を満たすことが出来ません。
Webサイトを公開するサーバーなら、10MbpsクラスのVPSは選ばない方が良いでしょう。