VPSのメリットとデメリット
VPSを使うメリットとデメリットを知ることで、適切なサーバーを選ぶことが可能なり、最終的にサーバーを利用する快適さやコストパフォーマンスにも大きく影響します。
公開日: 2023.3.1
VPSのメリット
コストパフォーマンスが高い
VPSは、専用サーバーと比較して、料金プランが低価格です。1つの物理サーバー独占出来る「専用サーバー」は、 初期費用で数十万円、月額料金で数万円と言うケースがほとんどですが、VPSであれば初期費用無料で、月額費用は500円未満のサービスもあります。
もちろん、その分サーバーのスペックもダウンするため、より大規模なサーバーを運用したいのであれば、占有サーバーを選択した方がコスパが高いこともありますが、小規模から中規模であれば、VPSは非常にコスパが高いサーバーと言えます。
スケーラビリティが高い
VPSは、サーバースペックを簡単にアップグレードできる、スケーラビリティが高いサーバーです。
サーバー事業者によりますが、オンライン上の管理画面から必要に応じて、CPUコア数、RAM、ストレージ、転送帯域幅を増やすことができます。スケールアップだけでなくスケールダウンも簡単にできるため、必要なときにすばやくリソースを調整することができます。
カスタマイズ性が高い
VPSは、OS的には占有サーバーと同じため、共有レンタルサーバーやサーバーレスなどの運営者で管理されるサーバーと比較して自由度が非常に高く、独自のソフトウェアをインストールしたり、設定をカスタマイズしたりできます。
VPSではサーバーへの管理者権限が付与されるため、スペックや技術力などを考えなければ、VPSであればサーバー上でやりたいことはほぼ全て出来ると言っても過言ではないでしょう。
セキュリティを高めることが出来る
VPSは、ネットワーク単位、OS単位で細かいセキュリティ設定が可能になるため、管理者側のセキュリティ設定に従う共有レンタルサーバーと比較してセキュリティを高めることが可能です。また、サーバーは仮想的にとは言え、システム的に他のユーザーと完全に分離されるため、セキュリティが高くなります。
ただし、VPSは自由度が高いサーバー故に知識がなく、セキュリティ設定をしっかり行わないと、逆にセキュリティに弱いサーバーになってしまうこともあるのが注意点です。
VPSのデメリット
自分で管理する必要がある
VPSで立ち上げたサーバーは、全て自己管理が必要です。
サーバーのアップデートやバックアップ、セキュリティパッチの適用など、定期的なメンテナンスが必要です。また、これらの作業はある程度技術的スキルが必要となります。
専門的なスキルが必要
VPSは、共有ホスティングよりも複雑で技術的な操作が必要です。そのため、サーバーのセットアップや管理には、高度な技術的スキルが必要となります。
共有レンタルサーバーよりも料金が高い
VPSの料金は年々下がってきてはいますが、月額100円前後でもレンタル可能な共有レンタルサーバーと比較するとどうしても高くなります。そのため、小規模なビジネスや個人用途の場合は、予算的にVPSが高く感じることもあるでしょう。
また、上記の「専門的なスキルが必要」と言う観点からは、自身で管理をするなら「専門知識を得るためのコスト」が必要ですし、技術者に管理や構築を依頼するのであれば、作業コストもかかります。
基本は自分で対処しなくてはならない
共有レンタルサーバーの場合、ある程度のプログラムが安定して動作するように運営側がインターフェースも含めて用意をしてくれますが、VPSの場合はサーバーが立ち上がったあとは「あくまで自分で全てを解決する」というのが基本です。
つまり、VPSでのアプリケーションの構築や、エラーの対処などは自分で調べて対処する必要があり、VPSサービスのサポートは、あくまでサーバー自身のトラブル解決に限定されます。
そのため、問題が発生した場合、自分で解決ためにかなりの時間がかかってしまうことがあります。
VPSは、専用サーバーに近い性能を提供しながら、コストが低く、自由度が高く、セキュリティが高く、信頼性が高いため、多くの企業や個人ユーザーに利用されています。しかし、VPSには欠点もあり、選択する前に十分な検討が必要です。